6位の京都との勝点差が15で12位の千葉が、千葉と同じ勝点45で得失点差の違いで13位の長崎と対戦した前節(第38節)。第29節・熊本戦以来のスタメンとなった佐藤勇人が攻守両面で非常にアグレッシブなプレーを見せ、それに引っ張られるように攻撃では高い位置で複数の選手が連動し、『3人目』が絡んで行くプレーがよく見られた。29分には左サイド寄りでボールを持つと中央へとドリブルを仕掛けた井出遥也が、そのままペナルティエリア内へ切り込んでシュートを狙うのではなく、高い位置まで上がっていた右サイドバックの多々良敦斗へパス。そこから、右サイドで吉田眞紀人、山本真希が絡み、最後はパスカットに入ったDFに当たったこぼれ球をペナルティエリアに走りこんでいた佐藤勇がボレーシュートの得点機を作った。佐藤勇の前へ飛び出すプレーも効果的だったが、相手の守備陣を揺さぶる井出のサイドチェンジのパスもよかったシーンだった。38分には左サイドで突破を図った乾貴哉のクロスから、またもやペナルティエリアに走りこんだ佐藤勇がヘディングシュートを放つ決定機。だが、戻って来ていた長崎の永井龍がヘディングで競り合ったこともあり、ボールはクロスバーの上へ飛んでしまった。後半は中盤の構成を3人から4人に変えた長崎が盛り返す中、今季は天皇杯2試合にスタメン出場したもののJ2リーグ戦は初出場の岡本昌弘が安定感のあるプレーを見せ、乾や岡野洵の奮闘もあって無失点。後半のアディショナルタイムにはオナイウ阿道が長崎のGKの大久保択生と1対1になる決定機があったが、大久保のファインセーブでノーゴール。連敗を4で止めたが、スコアレスドローに終わり、7試合未勝利で4試合連続無得点となった。
前節の引き分けによって、千葉の試合終了後にはまだ試合が終わっていなかった京都の結果(を待たずに、千葉のJ1昇格プレーオフ進出の可能性は完全に消滅。だが、残り4試合に向けて選手たちは「厳しいチーム状況でも応援してくれるサポーターに意地を見せたいし、来季に希望を抱いてもらえるようにやらないといけない」という思いを胸に、1つでも順位を上げるべく今節の勝利を目指す。11月1日の練習では「ペナルティエリアの中にいることで満足しちゃったり、最初からこぼれ球を狙ってしまったりする選手がいる。何かあった時の自分というのではなくて、最初の一発目の自分が決めるんだという選手がもっといてほしい」(長谷部茂利監督代行)ということで、最初からペナルティエリア内にいるのではなくて動き直しをするなどクロスに対する入り方を工夫してシュートに持ちこむための全体練習、そしてドリブルからのシュートやミドルシュートの練習を行なった。
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