船山貴之には不思議な二面性がある。例えば帰宅前の彼に初めてコメント取材をした時、自分の強みについて質問すると返ってきた答えは「全部」とひと言だった。質問に対して細部まで雄弁に語るタイプの選手もいるが、船山は一つの質問の答えにそれほど多くの言葉を語らないタイプで、質問を重ねていくことで細部を引き出せるタイプの選手だ。時にはプレーや考えの核心や深いところにある本音を聞こうとしても、「それは言えないです」と答えることも少なくない。もしかしたら筆者にまだ慣れていなくて警戒しているのかもしれない。だが、その一方で、例えば千葉サポーターについて質問した時、笑顔ではあったが「俺はあんまり好かれていないと思うよ。嫌いな人は嫌いだと思うよ」と答え、筆者が内心「これをそのまま正直に原稿に書いていいのかな?」と思っていると、「これ、書いていいよ」と筆者の気持ちを読んだように言った。リップサービス的な答えのあとに「記事的にはこの答えだよね」と言うこともあるが、隠しておきたい、表に出したくないことは、今の段階ではどれほど突っついても明かしてくれない選手だ。
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