堅守が武器の栃木を相手に、第8節ではJ1リーグとJ2リーグの両方でのクラブの1試合最多得点数6を上回る8ゴールを奪い、さらにクリーンシートで8-0の大勝を収めた千葉。千葉はもともと大量得点の試合の翌節は苦戦する傾向にあり、千葉に限らず大勝したあとの試合は難しいと言われる。それだけにしっかりと勝ちきれるかがポイントとなった今節は、最近になって成績不振による監督交代、強化部長の辞任、ベテラン選手である島川俊郎の現役引退、そして中心選手の西谷和希が不適切発言を理由に双方合意による契約解除と、立て続けに様々なことが発生した徳島との対戦だった。
徳島は、吉田達磨前監督に代わってヘッドコーチからの昇格となった増田功作暫定監督の初戦だった第8節・清水戦は、試合開始早々の5分に失点したものの、90+2分に棚橋尭士がPKを決めて1-1に追いつく粘り強さを見せた。徳島は本来、個の能力の高さを生かしつつ、連動したパスワークで得点を狙うチーム。千葉の前からのプレスがかかるかどうかが試合展開を左右することが予想され、プレスをかわされれば苦戦が考えられた。
そして、その予想どおり、千葉は10分に椿直起のゴールで先制したものの、前半の半ば過ぎからは千葉のプレスをかわす徳島がやや優位な状況で試合が進むという、千葉には苦しい時間が多い展開となった。しかし、千葉は粘り強い守備を見せ、徳島がPKで同点ゴール奪取のチャンスの場面では、千葉のGKの藤田和輝が徳島のチアゴ アウベスのPKをセーブ。千葉は追加点を取れそうなチャンスをモノにできなかったのは課題として残った。だが、特に後半は徳島が優勢の時間が長く、それを千葉が我慢強く耐えての1-0の勝利は8-0の大勝にも等しい、もしかしたらそれを上回る手応えをチームに与えた。
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