試合が始まって14分になった頃、何気なく千葉ベンチを見ると、尹晶煥監督が「何でなのだろう」とでもいうような感じで首をかしげながら、テクニカルエリアからベンチに戻って来た。試合後のオンラインでの記者会見で、尹晶煥監督は試合の感想を語る冒頭で「全体的に今日は体が重かったと思う」と話し、その後の話の中で「序盤は良かったと思いますが、時間が経つほど相手のパワー、フィジカル的な勝負に押されてしまったという印象」と語った。栃木の千葉対策の影響もあっただろうが、できる限りの準備をしてきたにもかかわらず、選手が思うように動けていないことを感じ、疑問を抱いたのかもしれない。
今節はスタジアムの収容人数の50パーセントまで(上限は5,000人)という条件付きながら、観客が入場しての試合開催となった。原則はアウェイサポーターの入場は自粛ということで、アウェイ側ゴール裏スタンドをはじめ通常はアウェイ側エリアまで千葉のイエローを身につけた観客がいるのは、いつもとは違う光景だ。アウェイチームのものを身につけていなければ入場できたため、中には栃木サポーターもいたかもしれない。だが、スタンドの観客は先にウォーミングアップに出てきた千葉の選手へと同様に、栃木の選手がウォーミングアップのためにピッチに出てくると拍手で迎えた。栃木の選手がその拍手に気づいていたのか、気づいていたとしてそれをどう捉えていたかは分からないが、サポーターは試合を生で見られる喜びを、試合は対戦相手がいてこそと称える思いも込めて拍手で表現したように感じられた。
読者コメント