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【天皇杯2回戦:千葉vs青森】レポート:開始早々の失点で難しさを増した戦いは、千葉が一時逆転するも最後はPK戦で決着

【天皇杯2回戦:千葉vs青森】プレビュー:出場機会を得た選手が公式戦でしか得られないものを手にしつつ3回戦進出を目指す

2018年06月05日 19:17 by akanuma_keiko
2018年06月05日 19:17 by akanuma_keiko

6月2日に行なわれたJ2リーグ第17節・山口戦で、千葉は2-1と1点差リードで迎えた後半のアディショナルタイムの90+4分に相手のサイド攻撃から失点。2-2の引き分けに終わって、試合運びや攻守の詰めの甘さなどの課題が改めて露呈した形となった。何としてでも守りきる力、そして相手に止めを刺すような『1点』を取りきる力は、一朝一夕には身につかないとはいえ、試合でそういった部分での結果を出していくことは、J1昇格には必要不可欠だ。第18節・山形戦でどのような戦いぶりを見せるか注目したいところだが、6日には天皇杯2回戦・ラインメール青森(以下青森)戦が行なわれる。

近年では、千葉の天皇杯初戦は千葉よりもカテゴリーが下のチームとの対戦が多く、これまでJ2リーグ戦にコンスタントに出場していない選手がスタメンで多かった。だが、筆者が取材に行くことができなかった6月4日の練習後の囲み取材で、フアン エスナイデル監督は青森戦のスタメンは山口戦から全員変更することを明言したそうだ。その中には、昨年の11月5日のJ2リーグ第40節・町田戦の試合中に左膝左膝蓋腱断裂(全治が約6ヶ月)の重傷を負い、手術とリハビリを経て現在は元気に全体練習に取り組んでいる乾貴哉も含まれているという。J2リーグ戦の中盤に入った時期ではあるが、前節終了時点の暫定順位が12位で、J1昇格プレーオフ進出圏内の6位の松本との勝点差が6の千葉にとって、今後はJ2リーグ戦での連勝が必要だ。そのためには戦力の底上げが必須で、公式戦での経験でしか得られないものを選手が収穫として成長したり、戦術の細部を再確認したりすることが望まれる。J2リーグ戦の出場機会に恵まれていない選手にとってはまたなとないチャンスといえる。

青森県代表として天皇杯に出場している青森は、5月26日の1回戦では栃木県代表の作新学院大学と対戦。前半は作新学院大学が優位に試合を進める中、24分に小幡純平、30分に多木理音が得点したものの、36分にPKで失点すると66分にも失点し、試合は延長戦に突入した。その延長戦では97分に元柏の太田徹郎が勝ち越しゴールを奪ったが、108分にCKのボールをヘディングでつながれて失点。PK戦では先攻の作新学院の1番手の選手が決められないでいると、青森の2番手の小幡が決められず、5番手の選手がともに終わった時点で4-4。サドンデス方式となって迎えた10番手の作新学院のGKの選手が決められず、青森はGKの横山卓司が決めて9-8として2回戦進出を決めた。

青森は2016年からJFLで戦い、昇格初年度のそのシーズンは8位だったが、年間順位5位を目指した昨季は2位と大躍進。開幕戦は結果的に優勝したHonda FCに1-3で敗れたものの、ファーストステージ第2節からセカンドステージ第8節まで22試合連続無敗(12勝10分)と簡単には負けない粘り強さを発揮した。今季は、清水東高校を卒業してオランダでプレーし、日本人4人目のヨーロッパのプロ選手となり、磐田の前身のヤマハ発動機で現役を引退後、福岡、湘南、仙台で指揮を執った望月達也監督が就任。直近の公式戦のファーストステージ第11節は流経大ドラゴンズ龍ヶ崎に押される時間帯が長かったものの無失点に抑え、82分の安芸銀治のゴールで1-0と競り勝った。第11節終了時点での戦績は4勝4分3敗で16チーム中8位となっている。

ちなみに、千葉に所縁のある選手では、2008年に東北学院大学から加入し、ジェフリザーブズでプレーしたあと2009年シーズン限りで契約満了となった奥山泰裕がいる。背番号『10』をつけ、基本はダブルボランチの4-4-2の右サイドハーフでプレーしているようだ。そして、前述の元柏の太田は左サイドでプレーしている様子だ。そして、さらに余談になるが、試合当日は千葉では熊谷が25歳の誕生日の一方で、青森では多木が26歳の誕生日。千葉はFWのレギュラーの多木にバースデーゴールを決められないようにしたい。

青森は望月監督が「ボールを大事にする」ことを求めているようで、しっかりとパスをつなぐサッカーを目指しているが、ロングボールでチャンスを作れる時はそういった形も狙っている。この2回戦では千葉がボールを保持してパスをつなぎ、サイドから攻める形に対して、青森は千葉のミスも含めてのボール奪取からのカウンター攻撃、ロングパスでディフェンスラインの裏のスペースを狙う攻撃も仕掛けてくるだろう。千葉としてはきちんとシュートで終わり、不用意なボールロストは避けたい。先制点を取れずに失点すると焦ってしまって自滅する可能性もある。勝つには勇気のあるチャレンジは必要だが、チャレンジすべき場所、時間帯などの状況判断が重要だ。

平日の19時キックオフのうえ、天候も雨が予想されるため、DAZNやスカパー!などで試合映像が見られなくても来場できるサポーターは限られるだろう。だが、来場したサポーターが「来てよかった」と思えるプレー、そして勝利を見せてほしい。

reported by 赤沼圭子

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