ジェフ便り

５分と表示された後半のアディショナルタイムはその５分に入っていた。２－１とリードしていた金沢は、右サイドのタッチライン際で大槻優平がオフサイドにかからずにディフェンスラインの裏に飛び出す。そのままペナルティエリア内へ切れ込むと、ＧＫの佐藤優也と１対１のビッグチャンスとなった。だが、大槻のシュートを冷静な対応でセーブした佐藤優也は、マイボールにするとハーフウェイラインを越えたところまでドリブルでボールを運んだ。そして、その前からパワープレーのため前線に上がっていた近藤直也にグラウンダーのロングパスを出すと、近藤は右サイドのスペースへ船山貴之にはたき、船山はファーサイド寄りへクロスを上げる。そのクロスをタイミングよく受けたラリベイは叩きつけるようなヘディングシュートを放った。だが、ボールはクロスが上がったサイドに対してニアサイドのゴールポストの横でバウンドしてノーゴール。その直後に試合終了を告げる笛の音が響き、千葉は１－２で敗れて対金沢戦での初黒星となった。

今節の千葉は、前節のスタメンのうち前節で負傷した町田也真人、そして多々良敦斗、比嘉祐介、指宿洋史に代えて、北爪健吾、若狭大志、清武功暉、船山をスタメンで起用。前節は３－１－４－２システムでスタートしたのを、今節は４－１－４－３システムでのスタートとなった。対する金沢はシステムこそ前節と同じ４－２－２－２だったが、連戦による疲労の蓄積の考慮に加え、千葉のハイラインを攻略するためディフェンスラインの裏に飛び出す選手を起用して、スタメンを前節から４人変更。センターバックの一角を廣井友信から太田康介に、左サイドバックを宮崎幾笑から野田紘史に、左サイドハーフを大槻優平から杉浦恭平に代え、右サイドハーフを金子昌広から前節も含めて今季はずっと２トップの一角でプレーしてきた中美慶哉に代えて、２トップの一角に今季初スタメンの山﨑雅人を起用した。試合全体を優位に進めたのは千葉だったが、結果的に勝敗を左右する場面となったところで有利に働いたのは金沢の選手起用だった。