里内猛フィジカルコーチが先頭に立ってのジョギングで、選手の先頭にいるのはやはり水野晃樹。敬愛する先輩である坂本將貴に倣って、チームを引っ張る意識の強さをジョギングでの位置でも示す。
全体練習が始まる前からパラパラと降り出した小雨は、練習中に強くなったり、弱くなったりを繰り返し、風はないものの冷たい雨もあって肌寒さを感じさせる天候だった。練習開始予定時間は10時からだったが、室内でのミーティングがあったため、選手たちが練習グラウンドに姿を見せたのは10時10分を過ぎた頃。ピッチで選手たちは軽くボールを蹴り、10時17分頃からは約3分間ジョギングで体を温めた。
JFA・Jリーグ特別指定選手の大野哲煥を含めた4人のGKはフィールドプレーヤーとは別に練習を開始。狭いスペースでの2対2のゲーム形式の練習で足技を磨くと、今度はゴール前での競り合いの場面を設定した状況でハイボールのキャッチ練習を実施。練習メニューの合間にストレッチを交え、時には息を整える時間もあるが、常に全員が何らかの役割を与えられるため休む間がほとんどない。そういえば、かつて千葉の選手だった櫛野亮(現在はアカデミーコーチ)が手を負傷していてフィールドプレーヤーの練習に参加していた時、「こっちの練習のほうがGKの練習よりも楽だ」と言っていた。
フィールドプレーヤーは2人1組になり、障害物があるコースをドリブルやパス交換をしながら通るアジリティのトレーニング。パス交換はダイレクトで、ワントラップしてから、そしてヘディングでなどコースを通るたびに条件が変わり、コンビを組んだ選手と息を合わせたタイミングや正確な技術、さらにそれをやり続けるスタミナも要求される。この練習は10時40分頃まで行なわれ、それぞれ母国の代表選手として海外での国際Aマッチに出場したネイツ ペチュニクと安柄俊は疲労を考慮され、その後は全体練習には参加せずに2人だけで話をしながらジョギング。筆者など取材陣がいる前を通った時には「AWAY」という単語などが聞こえ、2人の会話は英語のようだった。
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