ジェフ便り

【スタジアムからの便り】J2第4節ファジアーノ岡山戦

【J2第4節 千葉 vs 岡山】レポート:我慢比べの戦いを粘り強く耐え、相手の隙を突くゴールで競り勝つ。

2015年03月30日 14:37 by akanuma_keiko
2015年03月30日 14:37 by akanuma_keiko

日本では刀を用いた戦いから『鍔迫り合い』や『鎬を削る』という激しい熱戦を表現する言葉があるが、今節はまさにそういった戦いとなった。試合後の関塚隆監督は「我慢比べの試合だった」と振り返り、金井貢史の決勝点をアシストした谷澤達也もまた「前半は我慢かなという感じでした」と話した。今季の第1節・長崎戦や第2節・水戸戦にしても序盤に相手がリズムをつかみかけたところを耐えて自分たちの流れに変えていったのが大きな勝因だったが、今節は長い時間を粘り強く我慢して戦った末に得た勝利だった。


千葉のストロングポイントの左サイドの中村太亮と谷澤達也に対して、岡山は経験豊富な右ウイングバックの加地亮を中心にしつこくマークして自由にプレーさせないようにした。それもあって前半の千葉は右サイドから仕掛ける形が増えていた。最初の得点機は右サイドで、4分、右サイドバックの金井が攻め上がってCKを得る。5分、中村が自ら蹴ったCKのクリアボールを拾ってクロスを上げると、ゴール前でバウンドしたボールにファーサイドで合わせたのはキム ヒョヌン。だが、シュートはゴールポストに弾かれた。

中盤で激しくボールを奪い合い、潰し合う展開で互いにうまくフィニッシュまで持ちこめない。岡山も前半は得意のサイド攻撃やカウンター攻撃でゴール前まで迫る前にボールを失うことが多く、中央からミドルシュートを狙うのが目立つ。チャンスといえば、20分、谷澤から佐藤勇人という千葉のパスをカットした加地が前線にロングパスを出し、走りながら片山瑛一が頭で合わせた場面。だが、ヘディングシュートはふわりと浮いて千葉のGK高木駿が難なくキャッチ。前半終了間際には左サイドから細かくパスをつなぎ、最後は伊藤大介がシュートしたが緩いグラウンダーのボールも高木の守備範囲内だった。

「後半から少しずつスペースが空いてきた」と谷澤が言ったように、後半から千葉は左サイドでチャンスを作り出した。48分、左サイドで井出遥也がドリブルで仕掛けるとペナルティエリアへクロスを上げずにエリアの前へパス。そこに走りこんだ佐藤勇がダイレクトでミドルシュートを放つがクロスバーの上。49分には谷澤のパスを左サイドで受けた中村がペナルティエリア前の中央へ仕掛け、利き足とは逆の右足でグラウンダーのシュートと、前半とはうって変わって連続でフィニッシュまで持ちこんだ。

関塚監督は56分、井出に代えて入れた田中佑昌を右サイドハーフに置き、右サイドハーフだったネイツ ペチュニクを中央に置いた。守備でも奮闘する森本へのサポートを強化し、「ネイツの高さとキープ力を生かしたかった」(関塚監督)ということだった。中央を強化しても単純に中央にクロスを入れるのでは守備時は5バック気味にゴール前を守る岡山にはね返される。得点はやはりこの形だった。81分、中村からパスを受けた谷澤は選手が密集するゴール前中央ではなくファーサイドへクロスを入れる。そこに走りこんだ金井がダイビングヘッドで合わせ、ボールは岡山のGK中林洋次とゴールポストの間に入り込んだ。大外から相手の死角に入って行って隙を突く。金井にとっては狙い通りのゴールだった。

後半は互いに間延びしてプレスがかかりにくくなり、岡山もゴールへと迫った。岡山のシュートの精度不足にも助けられたが、走力自慢の岡山に走り負けず、選手が一丸となって最後まで我慢強く粘って戦えたことによる勝利だった。次節のC大阪戦では守備に回る時間が長くなり、さらに我慢を強いられるかもしれない。だが、今節のように最後までハードワークを怠らず、相手の隙を突く攻撃を狙い続けることで勝利に近づけるはずだ。
 
reported by 赤沼圭子

◆ご購読方法についてはこちらをご覧ください【無料お試し期間あり】

関連記事

[重要なおしらせ]ジェフ便り 4月末でのサービス終了のおしらせ

【仙台vs千葉】レポート:仙台に主導権を握られ攻守の課題が残るも、粘り強い守備とここぞの決定力で無失点勝利

【仙台vs千葉】レポート:仙台に主導権を握られ攻守の課題が残るも、粘り強い守備とここぞの決定力で無失点勝利

【仙台vs千葉】レポート:仙台に主導権を握られ攻守の課題が残るも、粘り強い守備とここぞの決定力で無失点勝利

【仙台vs千葉】プレビュー:『際』の勝負で攻守の強度を高くプレーし、隙を与えずに推進力のある攻撃で勝利を狙う

【仙台vs千葉】レポート:仙台に主導権を握られ攻守の課題が残るも、粘り強い守備とここぞの決定力で無失点勝利

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)