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【スタジアムからの便り】J2第4節ファジアーノ岡山戦

【J2第4節 千葉 vs 岡山】プレビュー:攻守に走力を生かす岡山のパスの出所を潰し、隙を突いて得点できるか

2015年03月29日 11:47 by akanuma_keiko
2015年03月29日 11:47 by akanuma_keiko

たかが3試合。されど3試合。千葉のオフィシャルプログラム『UNITED』2015年3月号内の「担当記者のちょっといい話」というコーナーのコラムで綱本将也さんが書かれていたが、J1昇格プレーオフが導入された2012年以降に自動昇格した6クラブは全て開幕から3試合負けなしとのことだった。そして今季、第3節終了時点で負けなしは3チームで、全て2勝1分の勝点7。得失点差によって1位・岡山、2位・千葉、3位・横浜FCとなっている。ちなみに千葉はJ2リーグで第3節終了後の勝点7は過去最多だ。

今節は千葉にとって首位の岡山を叩くためだけの一戦ではない。今節からの3連戦(対戦相手は4月1日の第5節がC大阪、4月5日の第6節が京都)に加えて4月11日の第7節・大宮戦と、J1昇格を争うライバルとの厳しい戦いが続く序盤戦の山場をどう乗り越えていくか。その指標ともなる一戦といえる。

前節(第3節)の千葉は、引いてブロックを作る栃木の守備を崩しきれず、得点はPKの1点のみだった。今季から長澤徹監督が率いる岡山だが、自陣に引くというよりも攻守が切り替わると素早く帰陣してゴール前をガッチリと守るスタイルは健在。それだけに千葉はボールを奪ったら早くフィニッシュまで持ちこみたいが、スピードを意識するあまりプレーが雑になって精度を欠いては意味がない。

前節の岡山はC大阪と1-1で引き分けたが、その失点シーンにヒントがあるように思われる。C大阪の得点は岡山のクリアボールを拾った山口蛍がサイドのスペースに開いたフォルランへパスを出し、フォルランのクロスを岡山のセンターバック・竹田忠嗣と久木田紳吾の間に走りこんだパブロが合わせたもの。この場面で岡山のもう1人のセンターバックの岩政大樹はフォルランがいるサイドのカバーに出て、ボランチの渡邉一仁がパブロを追ったが間に合わなかった。

千葉はサイドからクロスを入れるのが得点パターンの1つだが、ペナルティエリアにすでにいる選手ではなく入ってくる選手に合わせると効果的だろう。今季で言えば、第2節・水戸戦のネイツ ペチュニク選手の先制点がイメージに近い。さらに『3人目の動き』でマークを剥がしてゴール前に出て行くプレーは得点に必要不可欠だ。今週の練習ではトップ下や右サイドハーフの選手を入れ替えて試すなど、得点力アップのために試行錯誤した。その成果がどのような形で出るか注目だ。

 一方、守備面を振り返ると、千葉はゴール前で左右に揺さぶられた時にボールウォッチャーになりがちで、集中力を欠いて相手選手のマークが甘くなる点に気をつけたい。岡山はスピーディーなカウンター攻撃やサイド攻撃が特長。だが、今季は愛媛から加入した渡邊(2005年~2008年に千葉に在籍した堀川恭平の済美高校時代のチームメート)の一発のロングパスで、ディフェンスラインの背後のスペースを突いて得点チャンスを作る形も見られた。千葉は岡山がゴール前へ入れるパスの出所をしっかり潰せるかが失点阻止のカギになる。また、2010年~2013年に千葉に在籍した伊藤大介の精度の高いプレースキックも要注意で、ゴール前でのファウルや安易にCKにしてしまうプレーは気をつけたい。

J1昇格を争うライバルが相手と書いてきたが、やはりベースは『一戦必勝』。重要なのは、どこが相手であれ目の前の1試合にどれだけ注力し、選手が攻守で一体感を持って連動できるか。気負わずに、そして油断せずに戦える精神面の逞しさが常に求められる。

reported by 赤沼圭子

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