○小林慶行監督
Q:前節(第35節・栃木戦)の勝利は、アウェイで暑い中でしたし、(78分に鈴木大輔選手が退場処分となって)1人少なかったし、後半のアディショナルタイムでの決勝点ということもあって、あれほど大きな勝利はないのではないかと思います。それは得点直後の小林監督の渾身のガッツポーズにも表われていたと思うのですが、率直な感想はいかがですか。
「戦術的なところで言えば、スカウティングをしている中で、栃木さんはもう少し(前に)出てくると思っていたというのが正直なところで、そういう場面もあったんですけど、それ以上にミドルサードのところでのブロックを組んだ守備がすごく多くて、(守備のフォーメーションが)5-4ですからやっぱりなかなか自分たちがうまくスペースを使うことができなかったというか、もちろん相手の守備がすごく良かったということはあったと思うんですけど、ああいう相手に対してやっぱり自分たちがもう少し進入していく術、自分たちからよりもっとというものだったりとか、敢えて相手を引き出すような、おびき出すようなというか、そうなると少しリスクを負ってでも最終ラインの選手が(ボールを)運んだりとか、そういうことが次は求められていくなというところです。
もちろんそれは次のベースだと思うんです。今までやってきました。じゃあ、自分たちに対して、どのチームも前から奪いに来た。相手からすると、そういうビルドアップの不安定さが自分たちにあったんだと思います。その中で(第34節)秋田戦にしても、栃木戦にしても、(相手が)前から行くことを途中からあきらめたということだったりとか、もともとそういうプランを立てていたりだとか、そういうことをする相手が出てきているというところは、自分たちの攻撃のことを考えると、次のベースに入ってきている。それはもちろんいいことだと思います、じゃあ、その先、今度はその相手に対して何ができるのかということになったというのは、またみんなで積み上げていかないといけないというところになる。でも、その中でも試合後も言ったんですけど、間違いなく自分たちのミスが出やすい展開になった中で、イージーなミスから失点をしないとか、そういうことをして90分間サッカーを続けられたのはすごく良かったと思います。隙を見せなかったというところでは。
それで、後半になって少し相手(の守り方)が変わって、いつものように(前に)出てきたという中で自分たちがひっくり返すこともチームに増えてきて、チャンスも作れている中でのああいうような形にはなったので。もちろん(鈴木大の退場処分という)ジャッジがどうなのかとか、いろんな気持ちはもちろんあるんですけど、そこはもう言っても仕方ない部分ですから、それはもう受け入れるしかない。自分たちがあそこの背後に出されたボールに対してより正確にジャッジしなければいけなかったと思うし、そのようなフィードバックはもちろんしています。自分たちのやり方を考えた時には、今後はもう見ないでも、あそこのスペースにボールを落としてくるというか、そういうチームがどんどん出てくるだろう。じゃあ、それに対して自分たちはどういった対応をしていくのかという部分は、もっと突き詰めていこうというフィードバックはしました。
それは前半の最初のほうで、相手の左サイドからクロスが上がって、(栃木の宮崎鴻選手のヘディングシュートを)ゴールポストに当てられたシーンなどの部分でも同じように、『こういうのが増えるだろうね』というようなところです。じゃあ、そのためにはボール保持者にどういった形でプレスに行くべきなのか。じゃあ、(ディフェンス)ラインをパッと上げたタイミング、戻したタイミングはどうだったのか。GKも含めて、じゃあ、ディフェンスラインとGKの間に上がってきたクロスに対して、どういう対応をしていくのかというところ。これはより一層求められるということはフィードバックしました。
それで先ほどの話ではないですけど、ゲームで難しい展開になってから、僕がすごく良かったと思うのは、1人少なくなっても全員が、ピッチ上、もしくはベンチにいるメンバーも含めて全員が勝点3を取りに行こうとした姿勢を示せたことだと思うんです。やっぱり自分自身が目指しているものとしては、やっぱり(第31節)藤枝戦だったり、(第32節)磐田戦だったりで3-0で前半を折り返したとか、そういうゲームであっても、別に後半はゲームを落ち着かせようなんて考えたこともないですし、もう1点取ってゲームを終わらせるんだというマインドで戦っているので。そういったところも、今回、じゃあ、10人になりました。PKを相手が外しました。勝点1でもしかしたら良かったのかもしれない。だけど、あそこにいる誰もが勝点3を目指した結果、ああいうような形になったんじゃないかなと。プラス、相手よりも厳しい状況の中で、走り続けなければいけない。タフに戦い続けなければいけない。1人少ないのでなおさらですから、という中でも選手はそういうふうに躍動し続けられたのは間違いなく、今季、あれだけアウェイに駆けつけてくれたサポーターの力が本当に大きかっただろうなというのは、すごく感じています」
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