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【スタジアムからの便り】J2第2節水戸ホーリーホック戦

【J2第2節 千葉 vs 水戸】レポート:パウリーニョの存在感が際立つ中、後半の水戸の反撃に耐えて連勝。

2015年03月29日 11:53 by akanuma_keiko
2015年03月29日 11:53 by akanuma_keiko
もちろん選手全員でつかみ取った勝利には違いない。だが、振り返ればパウリーニョの攻守両面での活躍が光り、今季の千葉におけるパウリーニョの存在感の大きさを感じさせる一戦となった。

千葉は前節と同じスタメンとシステムだったのに対し、水戸は負傷者の影響もあって前節からスタメンは入れ替わり、想定された4-1-4-1システムではなく4-4-2システムで臨んだ。立ち上がりは縦に早めにボールを入れてくる水戸の攻撃を受ける形になり、こぼれ球への反応でも水戸が千葉を上回った。水戸はスピーディーにサイドを突き、13分には岩尾憲のパスを左サイドに走りこんで受けた宮市剛がクロス。これに馬場賢治が頭で合わせたが、ややふわりとしたシュートは千葉のGK高木駿の正面だった。

千葉はパウリーニョを中心に次第に中盤でボールを奪い、ボール保持率を高めて攻めた。前線では厳しくマークされながらも1トップの森本貴幸が粘りのプレーを見せる。その森本は24分、ペナルティエリアの前でこぼれ球を拾うとドリブルで仕掛けてシュートを狙った。ボールは水戸のGK笠原昂史の体の横を抜けるが、カバーに入った田向泰輝がクリア。最初の決定機はノーゴールも29分、二度目の決定機が先制点となる。パウリーニョがスライディングでボールを奪い、谷澤達也、そして中村太亮へとパスがつながる。中村のクロスにゴール前に走りこんだネイツ ペチュニクが頭で合わせてJ初ゴールを決めた。
1点を追う形となった水戸は33分にまたもや左サイドから仕掛け、ゴール前の混戦から馬場がボレーシュートを放つが、ゴールポストの横。ピンチを逃れた千葉は34分、パウリーニョがファウルを受けて得たFKを自ら蹴ると、最後は金井貴史がゴールに押し込む。だが、FKのボールに千葉のキム ヒョヌンと水戸の選手が競り合う形になり、キム ヒョヌンが触っていれば、そのタイミングでは金井はオフサイドポジションにいた。水戸の選手がオフサイドをアピールする中、副審に呼ばれて協議した主審は36分に千葉のゴールを認めた。試合後に配布された公式記録ではキム ヒョヌンが触ったことが記されていたが、リアルタイムの状況では分かりにくかったか、千葉にとってはラッキーな追加点だった。

後半開始から水戸は宮市に代えて三島康平を入れ、3バックに変えて猛攻を仕掛けた。シュート数は前半では千葉の8本に対して水戸は2本だったが、後半は千葉の2本に対して水戸は10本。だが、その多くは千葉の守備の範囲内で、さらにゴールの枠から外れるものも少なくなかった。76分には複数の選手がペナルティエリアに入り、立て続けにシュートを打ったが千葉の選手にブロックされた。79分の馬場のヘディングシュートもバウンドしたボールがクロスバーの上と決定力不足が響いた。

千葉は54分のネイツ ペチュニクが中村の右足からのクロスに合わせたダイビングヘッドのシュートが決まって3点目となっていれば、水戸の戦意を多少なりとも削いでもう少し優位に後半を戦えたかもしれない。だが、ゴール前で選手たちが再三シュートをブロックしたプレーについて、大岩一貴は「今年はみんなでそういうプレーをしっかりやろうと言っているし、(関塚隆)監督もそう言っている。みんなで体を張れているかなと思う」と評価した。さらに、前線からの守備が強くなったことについて「前からみんながプレスをかけてくれているおかげです。中盤でボールを奪ってくれるし、相手の攻撃のコースや形を限定してくれるので、ディフェンスラインも上げられる。守備がハマっていなかったら下がれと指示すれば下がってくれる。前の人たちの力は半端なく大きいです」と話した。前からの守備が機能しているからこそ前へと速く攻撃を仕掛けられる。今季の千葉の強みはそこにあり、その攻守の細部の精度を高めていくことがJ1昇格へつながるだろう。

reported by 赤沼圭子

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