6月9日の天皇杯2回戦・大宮戦を含め公式戦7試合負けなし(4勝3分)で、前節(第18節・東京V戦に)臨んだ千葉。ここ最近の試合で活躍しているサウダーニャや見木友哉を東京Vが厳しくマークする中、千葉は前半の半ば頃までシュートを打てずにいた。一方で、東京Vはサイド攻撃からフィニッシュを狙い、19分、千葉陣内の左サイドで井出遥也がボールを奪うと、パスを受けたジャイルトン パライバのクロスボールから小池純輝がヘディングシュートを決めて先制。その後は船山貴之が積極的にシュートを打ち、後半に入ると千葉が猛攻を仕掛けてサウダーニャや見木がゴールに迫るも、なかなかゴールを奪えない。選手交代やフォーメーション変更で活路を見出そうとするが、攻撃に転じたあとの1本目のパスの選択や技術面などでミスが目立った。終盤には新井一耀を前線に入れてパワープレーを仕掛けたが、ロングボールの入れ方が悪く、1-0と無得点で敗れた。
前節で千葉が東京Vに主導権を握られた一因は、前線からプレッシャーをかける守備の時に東京Vのアンカーの加藤弘堅をマークする役割を与えられていたサウダーニャが、その役割を務めきれなかったことだ。それに対して、千葉は田口泰士が試合中からサウダーニャをカバーし、プレーが切れると声をかけているのが記者席から見えた。サウダーニャは新型コロナウイルスの影響でチームへの合流が遅れ、攻守の戦術の習得に時間が不足していたことは確かだ。試合後のオンライン取材で筆者の質問に答える形で鈴木大輔は「自分たちが前から(プレスを)かける時というタイミングを逃さないためには、彼(サウダーニャ)がスイッチとなってそれに(他の選手が)ついていくのか、それともボランチがコントロールして(サウダーニャを)押し出していくのかは、もう少し詰めてやる必要があるかなとは思っている」と語った。そして、6月17日の練習後のオンライン取材で、田口は筆者の質問に答える形で「サウ(サウダーニャ)がどこまでプレッシャーに行くのか、どういう時にプレッシャーをかけに行くのかというのが彼自身もちょっと分かってなかったところがあると思う。ミーティングを通したりして、前節の映像を振り返ったりして『こういう時はサウがこういうふうに行くんだよ』という確認もできましたし、そういう練習もできているので、次はしっかりうまくいくと思う」と話した。
磐田の中盤には攻守のかなめであり、特に攻撃をコントロールする遠藤保仁がいる。今節の千葉の守備のやり方がどうなるのか不明だし、サウダーニャがどのような役割を与えられるのか分からない。だが、サウダーニャが守備戦術の理解を深めて、前節よりもしっかりと実践することが、今節の1つのポイントになりそうだ。そして、チーム全体としてもプレッシャーを前からかけに行ってボール奪取を狙う時、自陣でブロックを作って相手の攻撃を食い止める時の判断を的確に行ない、その際のプレーを抜かりなくやりきることが重要となる。1人でも集中力を欠いたり、隙を与えたりしてしまえば、失点につながる。
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