岡山と対戦した前節(第13節)の千葉は、序盤に岡山が前線でターゲットになる選手や千葉のディフェンスラインの裏を狙ってロングボールを入れてくるのに対して、センターバックの適切な対応や岡山の攻撃の精度不足もあって、その形からのピンチはほとんどなかった。ただし、千葉はボールを奪いきるというよりは攻撃のコースの限定というプレッシャーのかけ方だったこともあり、ロングボールを放り込まれることで全体の位置が低くなって押され気味になった。そんな状況を一変させたのが、22分のサウダーニャの長いドリブル突破からのJ初ゴールだった。しかし、先制点の3分後に警戒していたはずのミドルシュートで失点。それでも気落ちせずに攻め、失点のわずか2分後にFKからの流れで左右に揺さぶり、船山貴之のクロスボールのこぼれ球を拾った小田逸稀が追加点を奪う。
さらに、49分には小田が仕掛けてファウルを受けたことで得たPKを船山が決め、85分には交代出場の安田理大のサイドでの仕掛けからやはり交代出場のブワニカ啓太がシュートを打ち、このコースを変えた見木友哉が得点。今季は第12節・山口戦まで複数得点がなかった千葉が一気に4得点をマークした。だが、90分に岡山のサイド攻撃から決定機を作られ、そのシュートはゴールポスト直撃でノーゴールだったものの、こぼれ球への反応とゴール前のマークが甘くなって失点し、守備で課題を残した4-2の勝利となった。
長崎は今季の戦績を総合的に判断しての決断で、第11節・水戸戦(0-1の敗戦)の翌日の5月3日に吉田孝行監督(当時)の退任と、松田浩アカデミーダイレクター(当時)の監督就任を発表。登録手続きの関係上、第12節・秋田戦は佐藤一樹ヘッドコーチが指揮を執ったものの1-2の敗戦で連敗となった。だが、北九州と対戦した前節(第13節)は、公式記録での北九州のシュート数は後半に1本だけと守備が機能。一方で、攻め込みながらも決定力不足でなかなかゴールが奪えなかったが、90+3分に交代出場の米田隼也が彼自身にとっては今季初ゴールである値千金の決勝ゴールを奪い、今季初の無失点試合で1-0の勝利となった。
前節終了時点での戦績は、千葉が5勝3分5敗の勝点18で9位であるのに対して、長崎は5勝2分6敗の勝点17で12位。前節は、千葉が今季初の複数得点、今季のホーム初勝利、そして今季初の連勝といいことづくめでいい波に乗った感があるが、長崎もまた松田監督の初采配で今季初の無失点勝利と流れを変えた感がある。どちらが前節で良かった点を継続し、前節で課題となった点を修正できているかが鍵となりそうだ。
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