第23節は福岡の守備の甘さや攻撃の細部の精度不足に救われたところがあったとはいえ、攻守でやりたいことが体現でき、3-0の快勝となった千葉。その手応えを得て臨んだ前節(第24節)は、相手のスローインをマイボールにしてのサイド攻撃から為田大貴が8分に先制ゴールを奪い、試合の入りはよかった。その後は横浜FCがボール保持率では上回ったものの、小島秀仁が「相手に(ボールを)回させているという感覚でやれていた」と話したように、後手に回っていたわけではなかった。だが、先制点後もサイド攻撃やCKなどのセットプレーでゴールを狙うが決定機をモノにできず、33分、横浜FCがCKから放ったヘディングシュートをGKの鈴木椋大がセーブしたが、こぼれ球を松井大輔に蹴りこまれて失点。65分にはロングスロー後の流れで再び松井にゴールを奪われ、75分にはレアンドロ ドミンゲスに直接FKを決められて、結果的にセットプレーからの3失点が響いて1-3の逆転負けを喫した。
前節の攻撃面を振り返ると、第23節で右サイドハーフながらも左サイドに回り込んで攻撃の形を効果的に作っていた堀米勇輝の体調不良による欠場の影響は少なからずあった。それでも決定機を作れていなかったわけではないが、例えば横浜FCが60分から出場したイバを効果的に使っていたのに対して、FWとしてのタイプは違うとはいえ、千葉は75分に出場した佐藤寿人の特長を生かすパスワークができていたとはいえなかった。千葉はサイド攻撃でクロスボールからフィニッシュという形が確立しているものの、例えばディフェンスラインの裏に飛び出そうとする選手の動き出しを生かすパスが出せないなど、得点につながる攻撃パターンが少ない。前節でも後半になると前線からのプレッシャーを強めつつ、自分たちの攻撃の圧力を強めて千葉の攻撃を押さえようとする横浜FCの狙いにハマってしまった感もあった。状況に応じて、いかにアイデア豊かな攻撃をできるかが、千葉の大きな課題の1つとなっている。
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