岐阜と対戦した前節(第14節)の千葉は、第11節・大宮戦以来のスタメンとなった増嶋竜也が、相手のボールの動かし方に合わせてディフェンスラインをコントロール。出足の鋭い前線からのプレスとの相乗効果で、チーム全体をコンパクトにしたことで攻守が機能した。熊谷アンドリューと矢田旭のダブルボランチも攻撃時には高い位置を取ったり、縦パスを入れたりしたことで、早いタイミングでサイド攻撃を仕掛け、フィニッシュに持ちこむことができた。また、増嶋と同様に第11節以来のスタメン出場だった堀米勇輝が、持ち味のドリブルでの仕掛けと正確なプレースキックで活躍。10分に堀米のCKからの流れで船山貴之が先制点を奪うと、わずか2分後に堀米のCKのボールに新井一耀が頭で合わせて追加点を奪った。さらに、22分に熊谷の縦パスを受けたクレーベのヒールパスから船山がゴールを奪い、36分には矢田のパスカットからクレーベがうまくシュートを決め、前半で4-0の大量リードとなった。
ただし、その大量リードは後半が開始して間もない時間帯に岐阜に2回決定機を作られた要因にもなった。岐阜が40分に選手交代を行なって3バックから4バックにシステムを変更したのには対応できた千葉だが、後半開始時は「隙というか余裕が出てきて、(ディフェンスラインの)後ろに走った選手に対して(マークを)放す選手が何人かいた」(増嶋)とのことで、今後に向けて「最後まで集中できるようにしなきゃいけない」(増嶋)という反省点となった。さらに、千葉は63分にクレーベが船山とのワンツーから勝利を決定づけるゴールを奪い、あとは無失点で試合を終えることがポイントになったが、90分にロングパスから岐阜のライアン デ フリースにディフェンスラインの裏を取られて失点。アクシデントによる乾貴哉のやむを得ない交代があったため、右は茶島雄介、左は為田とサイドバックは不慣れな攻撃的な選手となったこともあり、ラインコントロールやポジショニングがうまくいかなかった影響もあっての失点だった。
今節でももちろんラインコントロールは守備の重要なポイントとなる。東京Vはもともとショートパスをリズムよくつなぐなどパスワークに定評があるチームだが、その一方で抜け目なく相手のディフェンスラインの背後のスペースを狙ってくる。ましてや、今季の東京Vには2016年シーズンから昨季まで千葉のディフェンスリーダーを務めた近藤直也がいる。千葉に在籍していた時、対戦相手にやられて嫌だったことを当然、狙ってくるはずだ。それだけに、東京Vにタイミングよくロングパスを出させないように、そして東京Vのパスワークを寸断できるように、千葉は前から連動したプレスをかけたい。
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