溝渕雄志のその言葉に思わずハッとさせられた。
「ああいうシーンを防ぐために出ているっていうふうに自負しているし、まあ、そこで1点ね、(取られて)1-2になるのとではわけが違うと思ったので」
千葉が2-1の逆転勝利を収めた第25節・甲府戦で、溝渕は50分に甲府の佐藤和弘が決定的なシュートを打ったのをゴールラインにカバーに入ってクリアした。シュートはGKのロドリゲスの横を抜けていて、溝渕がクリアしなければ失点していた。溝渕の素晴らしいプレーがあって、千葉は甲府に勝ち越されずに逆転できたことになる。
失点を防ぐのはDFだけの仕事ではないし、DFがやるべきプレーもいろいろある。しかし、溝渕が「ああいうシーンを防ぐために出ているっていうふうに自負している」とキッパリ言いきったことに、自分は失点を防ぐために試合に出ているのだという溝渕のDFとしての矜持を感じた。そういう思いがずっと胸の中にあるとしても、試合後の取材対応で質問を受けての答えとはいえ、そういった言葉を実際に口に出すDFは意外と少ない。
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