5分と表示された後半のアディショナルタイムで、90+5分という土壇場の近藤直也の今季初ゴールで1-1の同点に追いつき、今季のアウェイで初勝点を得た第11節・甲府戦。その勝点1を勝利という形に生かすべく臨んだ前節(第12節)は、第11節終了時点でJリーグ最少の4失点と堅守を誇り、2位につけている岡山との対戦だった。甲府戦の3バック&3ボランチから4バック&アンカーとインサイドハーフ2人と、ディフェンスラインと中盤の構成を変えたシステムで戦い、守備のやり方も甲府戦とは変更。甲府戦はディフェンスラインが少し引き気味で相手を迎え撃つという今季初の守り方だったが、前節は前からのハイプレスは復活させたものの、そのプレスの動きと連動したラインコントロールで極端なハイラインではなかった。その効果もあったかセカンドボールへの反応と奪取率はよく、攻守の切り替えの早さもあって立ち上がりから試合の主導権を握った。ただ、危なげない守備での無失点は収穫だが、攻撃は多くの時間帯で優位に戦ったわりには決定機が3回と少なく、得点も船山貴之曰く「クロスのミスキック」が幸運にもゴールとなった1点だけと課題は残った。それでも勝ちきって勝点3を得たのは本当に大きかった。
今節は、その勝点3を得たことでの手応えや勢いを生かし、安定した戦いが継続してできるかどうかの試金石となる一戦だ。対戦相手の大宮は基本的にダブルボランチの4-4-2システムで戦い、岡山と同様に組織力のある攻守を見せ、さらに岡山以上に個の能力が高い選手が多いチームだ。ただし、2015年シーズン以来となるJ2での戦いでは1年でのJ1復帰を目標にしながらも苦戦のスタートとなった。
J1からJ2に降格してきたチーム同士の対戦となった開幕戦では甲府に2-1と競り勝ったが、第2節・町田戦は2-3、第3節・徳島戦は0-1と連敗。第4節・金沢戦は86分の嶋田慎太郎の得点で追いついて1-1の引き分けに持ち込んだが、第5節・熊本戦は1-2の敗戦と、序盤戦はセットプレー(CK)でのイージーな失点が目立って競り負けることが多かった。第6節・福岡戦はクロスに合わせたロビン シモヴィッチのヘディングでのゴール、大前元紀の直接FKのゴールと取るべき選手の得点で2-1と勝ったが、第7節・松本戦は2-3、第8節・山口戦は1-2と今季2試合目の連敗。そして、第9節・岡山戦は大前が先制ゴールを奪ったものの、岡山の上田康太に直接FKを決められて失点して1-1の引き分けとなった。
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