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【無料掲載】過去からの便り:勝負とショーアップと~ジェフユナイテッド市原・千葉クラブ設立25周年記念レジェンドマッチ~

【過去からの便り】勝負とショーアップと~ジェフユナイテッド市原・千葉クラブ設立25周年記念レジェンドマッチ~

2016年06月17日 18:27 by akanuma_keiko
2016年06月17日 18:27 by akanuma_keiko
1991年6月11日にジェフユナイテッド市原がクラブとして創設されたことから、25周年を記念して6月12日のJ2第18節・東京V戦の試合前に『スタートトゥデイ(ZOZOTOWN) Presents ジェフユナイテッド市原・千葉レジェンドマッチ』(13時30分キックオフで20分ハーフ)が開催された。レジェンドマッチの相手はJ2第18節の対戦相手でもある東京Vで、レジェンドマッチには次のOB選手が出場した。(以下、文中敬称略)

【千葉】リトバルスキー、後藤義一、斎藤大輔、城彰二、下村東美、鈴木和裕、茶野隆行、中西永輔、林丈統、山口慶、秋葉忠宏、中島浩司、永田忍、木澤正徳、結城耕造、真中幹夫、酒井友之、江尻篤彦、櫛野亮(順不同)

【東京V】都並敏史、藤川孝幸、小針清允、トレド、米山篤志、柳沢将之、エジソン、佐藤悠介、山口貴之、佐伯直哉、高木成太、大橋正博、藤吉信次、氏家貴士、桜井直人(順不同)


千葉からは19人(江尻篤彦氏と櫛野亮氏はキックオフには間に合わず)、東京Vからは15人のOB選手が参加してレジェンドマッチが開催された。


足を負傷していたにもかかわらず華麗なボールコントロールやドリブルを披露したリティことリトバルスキー氏。

この記念すべきレジェンドマッチで観客の注目の的となったのはやはりリティことリトバルスキー。レジェンドマッチ出場のために練習をしていたら3週間前に足を痛めてしまい、果たして何分プレーできるのか危ぶまれていたが、前半にフル出場しただけでなく後半も登場。もしかしたら、前半は東京Vの佐藤悠介に見事な直接FKで先制ゴールを奪われ、千葉は無得点で0-1とビハインドのスコアで折り返したからかもしれない。レジェンドマッチが終わってからの取材では「今日のユニフォームは特別なもので初めて着るけど、ジェフの黄色いユニフォームにはいい思い出がある。クラブスタッフからお願いされて10分とか15分くらいプレーすることにしていたんだけど、試合が楽しくて痛みがなくなった(笑)」と話し、後半の約5分のプレー時間のうちに見事なボールコントロールから同点ゴールをゲット。その後に、ベンチに下がるとなかなかゴールが決まらない城彰二をタッチライン際に呼び、ウォーターボトルを渡して給水させながら励ましていた。

なかなかゴールが決まらない城彰二氏をわざわざ呼び、ウォーターボトルを渡して水を飲ませながら励ますリトバルスキー氏。

これまでこのようなレジェンドマッチに千葉側の選手として登場したことがなかった城は、前半はベンチにいたところ東京Vが先制。スタジアムDJとのミニトークの席でも「どこのレジェンドマッチだと思っているんでしょうね。東京Vはもっと気を使わないとダメですよね」と冗談とも本気ともつかぬ発言をしていた。
後半から出場すると、強烈なシュートを放つも決まらなかったが、リティのアドバイスが効いたのか(?)、クロスにうまくタイミングを合わせたヘディングシュートを決めて逆転ゴール。現役時代のように前方宙返りをするのかというようなジェスチャーからの流れでやったのは、宙返りではなく前転のパフォーマンス。回り終わって立ち上がると、ホッとしたように胸に手を当てていた。

過去のレジェンドマッチでもよく出場しているOB選手がいる中、久しぶりに千葉サポーターの前に姿を見せた1人が酒井だが、現役時代とあまり変わらない風貌でボールを蹴っていた。また、まさにクラブ設立時から1993年のJリーグ開幕時にプレーしていた後藤や木澤、眞中もリティに負けじと元気な姿を披露。現役時代を彷彿とさせる攻め上がりを中西や鈴木が見せれば、引退して間もない山口はゴール前に飛び込んだり、鋭いシュートを放ったりしていた。一方、東京Vでは都並、藤川孝幸、藤吉信次といったJリーグ開幕時に活躍した選手に加え、東京Vの前身の読売サッカークラブ時代から活躍していたトレド、エジソンの兄弟選手も懐かしい姿を見せた。また、2009年に千葉に在籍した佐伯は在籍年度が長い東京Vの一員としてプレーした。

右サイドからのクロスにタイミングよく合わせたヘディングシュートがゴールの右隅に決まり、思わず走り出してパフォーマンスをしようとする城彰二氏。

レジェンドマッチであること、その選手のもともとのキャラクターという要素もあっただろが、細部で勝負にこだわるプレーを見せつつも、試合中のリティや城のパフォーマンス、選手入場時には『アホの坂田』の真似をしながら歩いた藤吉、果敢なオーバーラップがオフサイドとジャッジされるとわざと転倒してみせて都並など、Jリーグ開幕時にプレーしていた選手にはショーアップの部分にもこだわる選手が少なくない。当時、Jリーグは関係者の予想をはるかに超える爆発的な人気となったが、観客が少なかった日本サッカーリーグ(JSL)時代を知る選手はもちろん、開幕後2、3年くらいに加入した選手は人気を失うことのないように盛り上げる意識が高かったのかもしれない。最優先されるのはプレーの質であることは当たり前だが、観客にどんなことでアピールし、ショーアップするか。そういった面のプロ意識の高さも改めて伝わってきたレジェンドマッチだった。
 
reported by 赤沼圭子

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