昨季から多くの選手が入れ替わり、連係面や攻守の組織では当然ながらまだ課題が残るにしても、開幕戦の内容は予想よりも課題の多さが目立った。昨季よりも『攻撃的な守備』に取り組んでいるものの、甲府のパスワークに翻弄され、プレスがまったくハマらない時間帯も少なくなかった。また、公式記録のシュート数3本という数字が示すように、攻撃のバリエーションを増やしてより多くのフィニッシュで得点を狙うはずだったのが、マイボールになった時の個と組織のミスもあり、フィニッシュの形を作りきれなかった。それでも、昨季は試合出場がなかったが、JFA・Jリーグ特別指定選手としてトレーニングに参加していた高卒ルーキーのブワニカ啓太が、Jデビュー戦で同点に追いつく貴重なゴールを奪った。そして、やはり昨季は試合出場がなかった鈴木椋大は試合勘や連係の問題でピンチになる場面もあり、1失点を喫したものの、試合終了間際のPKを見事にセーブ。勝点がゼロになりかねない場面で活躍して勝点1をもぎ取るのに貢献した。2人が戦力としての価値をプレーで表現したのは大きい。
今節の千葉のスタメンを見ると、GKは戦前の取材対応などからの予想どおり鈴木椋大。負傷がなければスタメン確定の鈴木大輔とセンターバックのコンビを組んだのは岡野洵だった。そして、左サイドバックは順当に安田理大が選ばれ、激戦区といえる右サイドバックには米倉恒貴が入った。ダブルボランチは沖縄キャンプでは田口泰士が負傷中だったこともあり、熊谷アンドリューと小島秀仁という既存戦力。その一方で、サイドハーフはいずれも新戦力で、左は岩崎悠人、右は福満隆貴となり、2トップは船山貴之と大槻周平の組み合わせとなった。スタメンに関しては、2月27日のオンラインでの囲み取材で、尹晶煥監督は大怪我ではないものの負傷している選手もいて悩んだと話していた。
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