2017年11月27日、大久保裕樹の現役引退が発表された。過去に在籍した京都、徳島、松本のJ1昇格に貢献した大久保だが、2シーズン在籍したジェフではJ1昇格を果たすことはできなかった。
思えば、ジェフでは筋肉系の負傷をすることが多く、リハビリに励む姿がよく見られた。ジェフ加入時も前年の負傷のリハビリからスタートし、全体練習をフルにこなすようになったのは2月の上旬になってからだった。ジェフでの大久保はスピードこそないものの、フィジカルの強さや豊富な経験に基づいたポジショニングを見せていた。それだけにベストコンディションを維持してフル稼働していれば、ジェフの守備力アップや失点減少に貢献できていたと思われる。
以前に『選手からの便り』で大久保について書いた際にも取り上げたが、ジェフ在籍時の大久保のプレーが印象的だった試合の1つが、J2リーグ第13節・長崎戦だ。練習後のコメント取材時の大久保はいつも落ち着いていてクールな受け答えをしているが、68分に近藤直也に代わって出場した時も非常に落ち着いていて、修羅場をくぐってきたベテランらしさが感じられた。DFの交代出場は攻撃陣の選手とは違った難しさがあると思われるが、そんなことは全く感じさせず、プレーから伝わってくる気迫も真っ赤な光を発する炎というよりは、内なる闘志を青い炎のように静かに燃やしているようだった。
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