キックオフ直前、千葉のゴール裏スタンドには千葉のエンブレムなどのビッグフラッグではなく、『ALL YOU NEED IS FOOTBALL』のビッグフラッグが掲げられた。この日のフクアリには千葉と熊本のサポーターはもちろん、サッカーを愛し、サッカーがなくてはならない人生を送る人々が、サッカーの試合を見られる喜びと幸せを改めて噛みしめるために集まったように思う。このビッグフラッグを掲出した千葉サポーターの判断と行動に敬意を表したい。だが、震災で大きな被害を受けた熊本県のJクラブである熊本の6試合ぶりのJ2リーグ再開初戦ということで、『特別な試合』という雰囲気がフクアリにはあった。ペン記者、スチールカメラマン、テレビクルーなど取材に訪れたマスコミは、千葉がJ1リーグやヤマザキナビスコカップで優勝争いをしていた時を上回るといっていいほどの人数で、さらにそのマスコミが追うのはホームの千葉ではなくアウェイの熊本。千葉の誰もが経験したことのない独特な雰囲気の中での一戦となった。
4-5-1システムを採用した千葉は、前節の右サイドハーフの吉田眞紀人に代わってスタメンとなったエウトンが1トップを務め、船山貴之が右サイドハーフに入り、左サイドハーフは前節のスタメンの北爪健吾から井出遥也に代わった。そして、負傷箇所が回復した山本真希が若狭大志に代わってダブルボランチの一角に入った。もう1人のボランチは前節と同様に長澤和輝で、タイプとしては攻撃的なMFの2人が組んだ形だった。
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